叛逆の雑記帳

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「初音ミク」の使用許諾契約書の禁止事項について【クリプトン社の対応の難しさ】

何気なしにVOCALOID初音ミク」の使用許諾契約書に書いてある禁止事項について

気になった点があったので調べてみた。

とりあわけ気になったのはこの2つ。

禁止事項

(1) お客様が公序良俗に反する歌詞を含む合成音声を公開又は配布すること。
(2) 本製品の歌手(声優)本人に限らず、第三者の名誉・声望その他の人格権を侵害する合成音
声を公開又は配布すること。

 この(1)の件については、れんちるーと氏が興味深いツイートをよせてくれました。

上記の禁止事項を掲げているクリプトン社としてはこの辺は難しい判断を迫られる部分とは思いますが、そこには「表現の自由」が絡んでいるのもあるからでしょう。

 

さて、次に(2)についてですが、これは私の記憶では初音ミクの「白い粉」という替え歌がそれに該当しそうです。以下、ITmedia Newsからの引用。

初音ミク」開発元のクリプトン・フューチャー・メディアは8月13日、「ニコニコ動画」に投稿されていた、初音ミクを使って作られた「碧いうさぎ」の替え歌「白いクスリ」を削除申請した理由について、「ピアプロ開発者BLOG」で説明した。「当社の営業上の利益と信用が侵害されるおそれを考慮して」削除を申し立てたという。

白いクスリは、覚せい剤取締法違反の疑いで8日に逮捕された酒井法子容疑者の代表曲「碧いうさぎ」の替え歌で、9日に投稿されたもの。「あとどれくらい逃亡すれば あなたのクスリ 抜けるかしら」など、覚せい剤や酒井容疑者をほうふつとさせる歌詞で、ニュースサイトにも取り上げられて話題になり、10万回以上再生されていたが、クリプトンの申し立てで11日、ニワンゴが削除した。

クリプトンはこの動画が、「特定の個人の名誉を毀損(きそん)するおそれのある歌詞を、当社製品『初音ミク』の合成音声で歌わせる内容を含んでいた」と説明。動画へのリンクを含むニュース記事が複数の大手サイトに配信されたことで、「当社製品を含む音声合成技術や、それを使った創作活動に対するイメージが、実態と異なるかたちで報道によって広まり、一般に認知され定着するおそれがある」と判断し、「当社の営業上の利益と信用が侵害されるおそれを考慮して」削除を申し立てたという。

この動画の削除申請については、ニワンゴ取締役の西村博之ひろゆき)氏が12日に更新したブログで、「この動画がクリプトンさんのどういった権利を侵害してるのかよく分からない。クリプトンさんが気に入らないものは、権利侵害の名の下になんでも削除できちゃうなら、JASRAC日本音楽著作権協会)より性質が悪い気がする」などと指摘していた。

 引用記事中ではクリプトン社の対応に批判もありました。

このようなケースでは多分、クリプトン社の持つ「初音ミクの倫理性」に違反していると判断されたために同動画は削除されたのだと推測しています。

これも大変ナイーブな部分ではあり、クリプトン社も頭を抱えつつ削除の判断を下していたのではないでしょうか。

 

初音ミクにおける表現の自由をどこまで許すかはクリプトン社の裁量次第」というのは、確かに一歩間違えると横暴な権力の振りかざしになってしまいますが、少なくともクリプトン社は今のところ無難な対応をしていると僕はみています。

 

初音ミクにおける表現の自由はクリプトン社の手の中にある」という表現は些か

嫌味に聞こえるかもしれませんが、僕はクリプトン社の良心を信じてこれからも

ボカロ・ムーブメントを観測していきたいと思います。