【再度書き起こし】hide VOCALOIDについて【VOCALOIDと生命倫理の問題】
最初に投稿した「hide VOCALOIDについて」の記事を誤って削除してしまい、こうしてまた書き直すハメになりましたありがとうございます。今後はエロネタの投稿は控えることにしまs…
さて、まずは私がまとめたトゥギャッターまとめをご覧ください。
このブログで主張したいことの全てはそこに要約されています。
VOCALOID技術を使用したhideの「子 ギャル」PV解禁の反響 - Togetterまとめ
これは「故人の未発表曲をVOCALOID技術を用いて完成させる」という点で
話題になりましたが、トゥギャッターまとめにもある通り、実際に完成したPVを
ファンが視聴するまでは複雑な反応が主としてありました。
中には「死人で商売するな!」という声もあったぐらいで、俗っぽい言い方をすれば
故人商法という捉え方をしている人達もいたようです。
が、完成したPVをみた後のファンの反応はガラリと変わります。
「ボカロとは思えない!」「多少違和感があるがほぼ本人が歌っているように聴こえる」「hideさんが戻ってきた!ありがとう!」などなど、驚きと喜びの声が多数あがりました。(それでも”故人商法”という捉え方をする人は一部いましたが)
このような反応について、亡くなった妻の音源を持ち、それを曲として投稿している松尾P@mazzoこと松尾公也さんはTwitterでこう述べています。
「ボカロっぽくない」「ボカロは嫌いだけど」などと、従来は否定派であったような人たちまで取り込めたという点で、hide VOCALOIDは画期的なんだと思う。圧倒的な歌の存在感があれば、そのラインは超せるんだね。
— Koya Matsuo (@mazzo) 2014, 12月 4
まさにその通りで、今回のケースは画期的な出来事と言えるでしょう。
そして僕自身が「死人で金儲けするな!」という意見に対する僕の考えは以下の通りです。
@musiloid hide氏の場合、その歌声を利用し、再現するという行為は”故人が未完のまま残した仕事を後の人が引き継いで作品を完成させる”という意義があったわけで、実際に完成したPVをみても分かるようにボカロ技術が介入してるとは思えないほどの完成度になっているわけだし。
— みゅーじろいどP@ボカロと倫理の考察人 (@musiloid) 2014, 12月 4
これは持論ですが、hide氏の場合、故人となった時点で”公共財”となったわけで、
だからこそ実現することができた一件なのだと考えています。
そしてツイートにもある通り、このようなケースは生命倫理からは自由であるべきです。これも松尾Pの言葉ですが、
故人をボカロ化するということは故人の業績を補完し、また新たなコラボレーションの可能性を生む
とも述べていました。亡くなった最愛の妻の音源を持つ松尾Pが語る言葉には
とても重みがあります。
故人をボカロ化する、という問題には確かに生命倫理の問題が絡んできます。
まだ専門的な、厳密な議論がなされているわけでもありません。
トゥギャッター内のツイートの中には、「僕は死んだらボカロ化されることは嫌だ」という意見もありました。
この辺りは今後議論を深めていく必要はあるでしょう。
僕も当初はその意見と同じ考えを持っていました。
が、前述した通り、僕は今では
故人のボカロ化には賛成の立場です。何よりhide VOCALOIDに”感動”を受けたファンの声を聞く限りは、僕はそう思います。